
仮想通貨によって格差は拡大する
仮想通貨の利便性に世の中は気づきつつある
仮想通貨の送金をしたことがある方は体感済みかと思いますが、仮想通貨は地球の裏側にいる相手への送金を瞬時に、かつ数円の手数料で行うことができます。私も仮想通貨を始めた当初はXRPの送金スピードに感動し、間違いなく世界は変わると思いました。
一方で、現在の国際送金はアメリカ向けでも送金に何日もかかり数千円の高額な手数料を取られ、非常に非効率的です。私も会社で経理財務の仕事をしていますが、海外からの入金を担当している部署にいる同期からは海外からの入金の手数料は高いという話を聞きました。
グローバル大企業の仮想通貨の利用により格差は拡大
将来的に、世界中の大企業が仮想通貨(独自仮想通貨もしくは法定仮想通貨)を使った送金を始めれば、債権回収や資金管理にかかる時間的・金銭的コストを大幅に削減できる可能性が出てきます。さらに仮想通貨はブロックチェーン技術を使用しているため改ざんが困難で暗号化ができ、インターネットがあればどこからでも簡単に送金ができてしまうという利便性があります。
つまり、国際的な資本移動が今以上に促進され企業の経済活動は活性化します。
一見これは魅力的な経済社会が実現されると思われがちですが、仮想通貨により国際的な資本移動が促進されるということは企業の活動が行われる地域はさらに拡大します。より人件費が安い地域で活動ができるようになるとうことです。
結果的に、先進国の労働者の雇用と給料はどんどん減っていくでしょう。仮想通貨により大企業・投資家・富裕層たちはさらに豊かになりますが、一般労働者は人件費の安い労働者との競争が激化し困窮していくでしょう。
国際的に仮想通貨を禁止にできるか
それなら国際的に仮想通貨を禁止すればいいのではないかという主張も出るかと思いますが、それは不可能です。すでにロシアや中国は仮想通貨・ブロックチェーン技術に真剣に取り組んでおり、既存のアメリカによる国際金融システムや基軸通貨ドルに対して挑戦しようとしています。他にも日本やマルタ共和国は法整備の面で仮想通貨・ブロックチェーン技術に寛容な国として知られています。
さらにブロックチェーンの肝は分散型という点です。アクセスの遮断が仕組み上不可能であるためビットコインなどを禁止することは物理的に不可能です。
国家の衰退
将来的に、グローバル大企業が仮想通貨を発行する時代がやってくるでしょう。アマゾンやグーグルような企業は本社を仮想通貨規制がゆるい国に移転し、独自仮想通貨を発行するようになれば、国家を超えるパワーを手にする可能性があります。
例えば、マルタ共和国のようなブロックチェーン企業に寛容な国にアマゾンやグーグルが移転し、アマゾンコインやグーグルコインを発行し法定通貨より安くより便利にサービスを受けられるようになれば、世界中の人が利用するようになるでしょう。
つまり、法定通貨の影響力は減退していくのです。
国が法定仮想通貨を発行する可能性はありえますが、グローバル大企業との競争にさらされた時に生き残れるのでしょうか。先進国はまだしも発展途上国の通貨は太刀打ち出来ないでしょう。
発展途上国は特定の企業もしくはビットコインなどのいづれかの仮想通貨の使用に収斂され、国家から地域共同体に変化していくかもしれません。もしかしたら経済的効率性が高まり、逆に先進国を追い抜き驚異的な発展を見せるかもしれません。
最後に
昨今、仮想通貨が新しい豊かな社会を作ると言われていますが、私はそのような楽観論に賛成できません。インターネットが登場した時も同じようなことが言われましたが、格差は拡大し続けています。
インターネット・ブロックチェーン・AI・IoTなどの技術は先進国日本の優位性をいつ崩してもおかしくないです。


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